発達障がいグレーゾーンの子どもと、どう向き合っていますか?
「毎日のように言い合ってしまう」
「子どもの気持ちがわからず、こちらの意見ばかり押しつけてしまう」
そういった悩みを抱えているご家族様向けに、一つ試して欲しいことがあります。
それは「聞き役に徹する」ということです。
子どもの話を聞いていると、これまで経験してきたことや社会の常識に当てはめて、思わず途中で話を遮りたくなることもあるでしょう。けれど、それをしてしまっては、せっかく子どもと親との間に構築される信頼関係がガラガラと音を立てて崩れてしまいかねません。
この記事では、「聞き役に徹する」ということがどういうことなのか、どういうメリットがあるのかなどの紹介はもちろん、聞き上手になるためのポイントなどについて詳しくお伝えします。
今、発達障がいグレーゾーンなどを抱えている子どもとの関わり方に悩んでいるご家族様は、目を通してみてください。
「聞く」というすごい力
「ただ聞くというだけで、そんなに関係性が変わるものなのだろうか」と、半信半疑の方もいらっしゃるでしょう。
この「聞く」という力をあなどってはいけません。
聞くことは、子どもの持つ特性や困り感を明らかにする以外にも、子どもの心に溜まっているものを表面に出し……心のバランスを安定させる効果があるのです。
話すことが子どもの心を安定させる
話すことで、子どもの心は落ち着きます。学校生活のことだったり、友達関係のことだったり。勉強に対する不安・不満だったり、話す内容は関係ありません。子どもが親であるあなたに伝えたいと思っていることを、じっくりと聞いてあげてください。
イライラトラブルが減少する
言語化できないイライラを抱えている子どもにとって、親と話す時間があるというのはとても心強いもの。家族というのは、子どもにとって最も近しい存在です。それ故、家族に自分の話をしっかりと聞いてもらえるというのはとても嬉しいものなのですよ。
話すことがルーティーンになり、子どもの中にあるイライラを親が理解することで、どんどんイライラすることによって起こるトラブルが減少していきます。
子どもの気持ちが理解できる
子どもの話を「聞く」という姿勢を持つだけで、これまで見えてこなかった子どもの内面が見えてきます。そうなることで、今まではわからなかった子どもの気持ちが、理解できるようになります。
子どもにとって正直な気持ちを打ち明けられる存在になろう
トラブルや困り感を抱えている発達障がいグレーゾーンの子どもにとって、最も重要なのは自分の本音を言える存在がいるということです。
その重要な存在に、あなたがなってみましょう。自分の本音を言える場所がない子どもたちは、学校でも家でも心が休まりません。そうなると、さらに精神的に追い詰められてしまい……問題を起こしてしまうことがあるでしょう。
子どもを決して追い詰めることなく、のびのびと正直に自分の気持ちを吐き出せる相手になりましょう。
親にも本音を言えない悲しみ・苦しみ
「本当はいじめられているけれど、それを言ったら『◎◎も悪いところがあったんでしょ』と言われるだろうから言わない」
「親に伝えても、自分に寄り添ってくれることなく先生に言いつけるだけだから、言いたくない」
これは、ある子どもの告白です。本音を親に言えない……言ったとしても共感も理解もしてもらえないというもどかしさは相当なもの。家でも学校でも我慢し続けると、何かにつけてイライラしてしまうという悪循環を辿ってしまいます。
日常的に話を聞くのがベスト
問題やトラブルが起こった時のみ、子どもの話を聞く姿勢を持つというのはあまり良い方法とは言えません。普段から子どもの話は積極的に聞くようにしておいて下さい。
「今日はどんなことがあったのか?」
「嬉しかったこと・悲しかったことは?」
など、質問するのが良いでしょう。恥ずかしがって答えてくれないようなら、こちらのことを話して、子どもの気持ちを解すことから始めてみてください。
聞き上手になるためのポイント
この項目では、子どもの話をうまく「聞く」ためのポイントについてご紹介します。
- ①「話を聞くこと」に集中する
- ②とにかく忍耐強く「聞く」
- ③穏やかな表情と口調
- ④どうして話を聞きたいかを伝えるのも手
- ⑤罪悪感を煽るような言葉かけや不安になるような言葉かけはやめる
「話を聞くこと」に集中する
こちらの意見を述べる必要はありません。ただ、子どもの話を聞くことに集中してくださいね。
とにかく忍耐強く「聞く」
話を聞いたからといって、子どもの本心がすぐわかるわけではありません。根気よく話を聞き続けましょう。
穏やかな表情と口調
家庭でも学校でも説教ざんまい。意見を言えば叱られるという日々……。そんな日々を送っているのだとしたら、イライラして当然ですよね。親が考えている以上に、子どもは追い詰められているかもしれません。そんな不安や苛立ちなどを和らげ、安心して話せる居場所だと子どもに理解してもらえるよう、穏やかな表情と口調を心がけてください。正直に話して良いんだという安心感が大事です。
どうして話を聞きたいかを伝えるのも手
あまり話してくれないようであれば、子どもの気持ちが知りたい・理解したいという気持ちを伝えるのも良いでしょう。
罪悪感を煽るような言葉かけや不安になるような言葉かけはやめる
子どもから話を聞こうとしても、なかなか言わない……。だからといって、親がイライラしないことが重要です。怒鳴ることは論外ですが、「お母さんにも話せないなんて、悲しい」というような、子どもの罪悪感を煽るような言葉かけは避けましょう。
「聞き役」に徹するために知っておきたい相づちや言葉
聞き役としてのポジションを確立するために、事前に知っておきたい相づちや言葉についてお教えしておきます。
忍耐・共感・繰り返し・質問を意識する
とにかく待つことが重要です。子どもが言葉を選びながら、ゆっくりと話しているのなら……その言葉にかぶせるように親が話すことはNG。言い分を聞くコツは、こちらから子供の感情を代弁したりしないことです。
また、子どもが話している最中にタイミング良く、共感を示す・復唱するとどんどん話してくれるようになるでしょう。
うまく説明できなくて困っていたら、ずばりその説明を親が言ってしまうのではなく子どもに質問して助け船を出しましょう。
うん、と言いながら頷く
間をおきながら、聞いているよとアピールしたい時に使うのが良いでしょう。
それはつらいね、苦しかったね
共感を示す言葉として有効です。
ポジティブな言葉で復唱
子どもの言葉を復唱する時は、ネガティブな言葉ではなくポジティブな言葉で復唱するように心がけてみてください。
そうだったんだね
子どもの話の中で、あなたが知らない話が出てきたとしたら……「そんなの初めて聞いた! どうして言ってくれなかったの!」と声を荒げることなく、穏やかなトーンで「そうだったんだね」と声をかけてあげましょう。
褒めポイントは見逃さない
具体的な行動・言動を褒めるようにしてみてください。話の中で、ここぞと思う褒めポイントがあればすかさず褒めます。
〇〇はどうしたかった?どう思った?
話を聞く中で、本人の言いたいこと・思ったことなどを質問してみましょう。質問することで、親は子どもをより深く理解できますし、子どもは自分自身の気持ちを再確認できます。
発達障がいグレーゾーンの子どもに親ができることってなんだろう?
すぎな塾では、発達障がいグレーゾーンに属するご本人様やご家族様のサポートをおこなっております。
発達障がいグレーゾーンの子どもを持つ親にできること……それは、
- 子どもの気持ちを理解する
- 親の意識を変化させる
ことでしょう。
そういう学びを得ることができる居場所として、すぎな塾があるのです。
相談だけでも構いません。子どものことを理解したい、もっとサポートできる親でありたい。そう考えているのであれば、ぜひ無料オンライン相談会へご参加ください!