心と家の関係について、知っていますか?
心の状態と家の状態は、イコールで結ばれています。家が荒れている時というのは心が荒れている時なのです。
今回は、家を片付けることでどういう変化が訪れるのか、片付けの手順などについて詳しくご紹介します。
発達障害グレーゾーンは片付けが苦手
発達障害グレーゾーンとは、特定の発達障害に明確に該当しないが、一般的な発達と比べて特有の特徴を持つ状態を指します。
発達障害のある人やその傾向がある発達障害グレーゾーンの人の中には、片付けや整理整頓が極端に苦手な人がいます。
原因
- 注意転導
- 過集中
- 空間把握能力の低さ
- 先延ばしの回避行動
上記が原因となり、片付けが非常に苦手である可能性があるでしょう。
それ以外にも、「目で見た情報を認識できていない」ことも。
視界に入っているものが見えていない
視界に入っているものが見えていないと感じる状況は、発達障害の傾向や視覚に関連した問題によるものの可能性があります。
発達障害グレーゾーンの人が片付けを苦手とする理由として、前の項目でも述べたように、視界に入っているものが見えていない可能性が挙げられます。
目の前にあるものが見えない状態って?
片付けが苦手な人にとって、視界に入っているものが見えないというのは、まるで目の前に霧が立ち込めているような感覚です。
ちゃんと見ているつもりであっても、すっぽりと散らかっているという現状把握が難しいという可能性もあり得るでしょう。
この状態では、物理的には目に入っているはずのものでも、それが何であるかを認識することが難しくなります。
これが片付けの際に混乱を招く一因となるのです。
わざとじゃない
片付けられない原因の一つに、故意ではないことが挙げられます。
「わざと、ポイポイ置いているんでしょう?」
「出したらしまうを徹底するだけで良いのに、どうしてできないの?」
一緒に暮らしている家族などからは、どうしてもそういう不満や悩みが噴出してしまうこともあるはず。
しかし、発達障害グレーゾーンの傾向があって、その特性によって片付けができない場合、決してわざと散らかす・散らかしっぱなしにしているわけではありません。
そうなってしまうのには、他に理由があることを理解することが大切です。
この理解がないと、本人に対する誤解や無理解が生まれ、問題が深刻化する可能性があります。
心と家の状況は繋がっています
「部屋の状況を見れば、その人の心の状況が見えてくる」
これは、すぎな塾の代表が障がい者福祉事業所の利用者様と接する中で得た実感です。
- 人間関係がうまくいかない
- 仕事がうまくいかない
そういった気持ちの揺らぎが、ダイレクトに部屋に反映します。発達障がいグレーゾーンの人だけでなく、これは誰に対しても言えること。
心と家の状況は、驚くほどに繋がっています。
片付いた家は心身に良い影響を与える
片付いた家に住んでいると、精神的にも肉体的にも良い影響が現れます。
- 気持ちが前向きになる
- 体をよく動かすようになる
- 食事に気を配るようになる
- 健康的で規則正しい生活を送る
そうした、ポジティブな要素がどんどん飛び込んできます。
片付けたいの片付けられないジレンマ
「片付けようとは思っているけど、どこから手を付けたら良いのかわからない」
心が荒れていると、判断能力が鈍ってしまいます。いつもだったらすぐ捨てるダイレクトメールやちょっとしたゴミ。そういうものを捨てるという考えにも行き着かなくなってしまうこともあるでしょう。
いつの間にかできた、カウンターテーブル上の物の山、季節外れの置物、トイレの床に転がったトイレットペーパーの芯などなど。うんざりするような光景が目の前には広がっている。どこから片付けたら良いのかわからず、結局放置。
そういう苦しみを抱えている人向けに、次の項目からは家を片付けるための対策や手順について一つひとつお伝えします。
【発達障害グレーゾーン向け】片付け術のポイント
部屋を片付けられない人向けの対策について、以下のポイントが挙げられます。
モノを減らす
部屋を片付けるための基本的な対策の一つは、不要なモノを減らすことです。
捨てることが、片付けられない状況を卒業するための第一歩となります。
新しいモノを買ったら、古いモノを捨てる
新しいモノを導入する際には、古いモノを捨てる習慣をつけることが大切です。これにより、物が溜まりすぎることを防ぎ、部屋の整理整頓がしやすくなります。
置き場所を決める
発達障害グレーゾーンに特有の片付け術として、モノの置き場所を決めておくことが挙げられます。これにより、物の位置が常に一定であるため、物が見えないという問題を緩和できます。
片付けた場所にシールを貼る
片付けた場所にシールを貼ることで、視覚的な効果が生まれ、どこに何があるかが分かりやすくなります。これは視界に入っているものが見えないという課題を軽減する効果があります。
分散しない
モノを使う場所に、しっかりと収納する。
それができる人であれば良いのですが、使ったら使いっぱなしにしてしまって結局どこに何があるのかわからなくなってしまう人の場合は、「分散しない収納方法」がベストです。
ストックや書類、貴重品など、一か所に収納場所を集中させてみてください。「ここを探せば、必ず書類は出てくる」というような安心感が生まれます。
先述した「収納ボックスにシールを貼って定位置を固定する」という方法が実現できる人の場合は、この限りではありません。
自分に合った片付け術を採用してみてください。
片付けることを、習慣づける
片付けが苦手な人にとっては、片付けることを習慣化することが重要です。毎日少しずつ片付ける習慣をつけることで、部屋が乱れにくくなります。
面倒くさくなったら、「1分だけ」、「このゴミだけ捨てる」というような気持ちで取り組んでみると良いでしょう。
一緒に片付けをする
片付けが苦手な場合、一人で行うことが難しいこともあります。
身近な人と協力して片付けを進めることで、作業がスムーズに進みます。理解者と共に片付けることで、モチベーションも向上します。
家族や友人と協力して片付けることで、励まし合いながら作業を進めることができます。
また、一緒に作業することで楽しみながら片付けることができ、モチベーションを保つことができるでしょう。
YouTubeなどの動画サービスにある片付け動画の中には「一緒に片付けるための動画」も多く公開されています。
「一緒に片付ける人がいない」という場合には、こういう動画を活用してみると良いでしょう。
プラスの言葉
プラスの言葉を使うことで、ポジティブな気持ちを保ちながら片付けを進めることができます。例えば、「今日はこれだけ片付けられたんだ」というように、小さな進捗に喜びを見出すことが大切です。
部屋を片付けることで頭の中を整理できるようになる
家を片付けていると、どんどん心にも変化が訪れます。苛立ちが消え去り、物事をポジティブに受け止められるようになりますよ。
家全体を一気に片付けるのが無理だとしても、まずは「キッチンから」「洗面所から」「トイレから」など、一か所ずつ片付けていっても良いでしょう。
片付けは心の片付け
心が荒れていると、家が荒れてしまうというのは、冒頭で説明したとおりです。
また、部屋の状況によって自分の特性が強く出てしまうタイプの、発達障がいグレーゾーンの人もいます。
ADHDの特性がある発達障がいグレーゾーンの方の場合、ごちゃごちゃした空間にいると集中力が途切れがちになってしまったり、色んな考えが浮かんでしまって止まらなくなってしまうことも。
「とても部屋が散らかっている」と思ったら、自分が精神的にどういう状態なのかを見つめてみてください。悩みを抱えていたり、仕事が忙しくてイライラしていませんか。
そういう時は、家の片付けを実施してみてください。
片付けが滞ってしまったときの対策
「まだ片付いていない状態だけど、何だか片付けが停滞している」と感じてしまうこともあるはずです。
そういうときは、どうしたら良いのかについて具体的にお伝えします。
片付けたいけど捨てるモノがないとき
捨てるモノがないと感じる時は、モノの中から本当に必要なものを見極めるために、定期的に物の整理をする習慣をつけましょう。
また、友達や家族と相談しながら決断することも一つの方法です。
「いる・いらない」ではなく「今使っている・使っていない」を基準にモノを厳選してみると、驚くほど片付けがはかどりますよ。
良き理解者を得る
片付けが滞ってしまった際には、良き理解者を得ることが重要です。理解者がサポートしてくれることで、片付けの壁を乗り越えやすくなります。
家を片付ける手順
家を片付ける時に知っておいて欲しいのは「一度に片付ける必要はない」ということです。まとめて片付けるほうが、効率は良いでしょう。
しかし、まとめて片付けるには、時間が必要です。
仕事や家事、育児などに追われる中でまとまった時間が捻出できなければ、「今度時間がある時に……」と後回しにしてしまいます。
ですから、「まとめて片付ける」ではなく「自分のペースで片付ける」のが重要なのです。
①生活導線の邪魔になる部分を発見する
- 起床する
- 服を着替える
- 歯磨きをする
- 身だしなみを整える
- トイレに行く など
朝起きてから以降の行動って、ルーティーン化しますよね。その生活導線の中で「これ邪魔だな」と思うものってありませんか。たとえば、廊下に置きっぱなしにしてあるコートだとか、段ボールだとか。
他にも、散らかっているとイライラする場所を見つけてみてください。
- 生活導線の邪魔になるもの
- 片付いていないとイライラする場所
それが、自分にとって一番に取りかかるべき片付けです。
②「買う」のではなく「整理する」
「ここにカラーボックスがあったら整理できるかも」と思って、失敗したことがある人も多いのではないでしょうか。ゴチャゴチャした空間をどうにかしようと思って収納棚を買ってみても、ゴチャゴチャ感はあまりなくなりません。
まずは、片付けるために「買う」のではなく、「整理する」ことから始めましょう。
「整理」とは、必要なものと不要なものを選別して、不要なものを手放すという意味を持つ言葉です。
「要らないものを捨てる」というのが、片付けの第一段階なのです。
整理したものは、一旦とりあえず収納しておいてください。必要なものを綺麗に整えたい気持ちが出てくるかもしれませんが、それは後回しにして次のステップへ行きましょう。
③掃除する
ものの「整理」が終わったら、掃除をおこないます。掃除をおこなう際は、必ず窓を開けて換気しましょう。喘息やホコリアレルギーなどのきつい症状が出づらい環境を整えてください。
窓を開けたら、高いところから低いところに向かって掃き掃除。掃き掃除によって出たホコリを掃除機で吸い取ります。最後は床拭きで完了です。
掃除をしていると、だんだん気持ちが晴れやかになってきます。
④整頓する
ものをあるべきところに戻します。使う場所に合わせて収納すると、使いやすく戻しやすいですよ。完璧を目指さず、「きっと使いやすいだろう」と思える整頓をしてみてください。
毎日使っているうちに「これはちょっと使いにくい」と思ったら、臨機応変に収納場所を変更するのが◎。
⑤リラックスできる空間に
最後に、自分にとって心地良い空間に仕上げてみましょう。好きな色のカーテンを新調したり、好きなアロマオイルを焚いてみたり。
「家にいると気持ちが安らぐ」と思える状態にします。
まとめ
いかがだったでしょうか。家が片付いていないと、気持ちが落ち着かなくなりますよね。
現在進行形で家が片付いていなくて心が荒れているという人は、今回ご紹介した片付けの手順に沿って、少しでも家の片付けを進めてみてください(*^^*)
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