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【発達障害グレーゾーンのお子様を持つ方向け】子どもが生きやすくなるために親はどうあれば良い?

発達障がいグレーゾーン。発達障がいという診断はつかないけれど、その特性は見られるという状態のことを「発達障がいグレーゾーン」と言います。
「発達障がいじゃないなら、困り感はあまりないのでは?」と思われがちな発達障がいグレーゾーンですが、理解されない苦しみや生きづらさがあるのは、発達障がいと診断された人と同じです。
しかも、発達障がいグレーゾーンだと、公的機関からの支援を受けられなかったり、相談する先がわからない……といった悩みも出てきます。
この記事では、発達障がいグレーゾーンにいる子どもたちが生きやすくなるために、親や家族はどうすれば良いのかについて紹介します。

グレーゾーンという生きづらさを抱える子どもたち

発達障がいとは、行動や認知の障がいです。発達の遅れと称される場合もあります。発達障がいグレーゾーンと一言でまとめていますが、どのタイプのグレーゾーンなのかは人によって異なるものです。この項目では、発達障がいの種類の中でも代表的な3つのものを解説します。

発達障がいの種類
  • 自閉症スペクトラム
  • ADHD(注意欠陥多動性障がい)
  • LD(学習障がい)

自閉症スペクトラム

自閉症スペクトラムには大きく分けて3つのタイプがあります。

友達や大人などとコミュニケーションを取るのが難しい・こだわりが強いといった困り感があります。

自閉症スペクトラムの3つのタイプのうちどれが該当するかは、

  1. 知的障がいの度合い
  2. 言葉の発達が遅れているか
  3. 対人関係の困難度
  4. こだわりの強さ

によって分かれます。

自閉症スペクトラムの3タイプ

タイプ 自閉症 高機能自閉症 アスペルガー症候群
知的障がい 重度・中程度 軽度・なし 軽度・なし
言葉の発達 あり あり なし
対人関係の困難度 非常に難しい 難しい 少し難しい
こだわりの強さ あり あり あり

このように、同じ自閉症スペクトラムの中にもタイプがあります。似ていると思われがちな「高機能自閉症」と「アスペルガー症候群」に関しては、言葉の遅れがあるかどうかが大きな違いとなるでしょう。アスペルガー症候群に関しては、言葉の遅れどころか難しい言葉や大人っぽい口調など、言語レベルが高い人も多いです。
ただ、どのタイプであっても暗黙のルールがわからない・場の空気が読めない・言葉のキャッチボールが難しいなどの困難さが見え隠れします。

ADHD(注意欠陥多動性障がい)

ADHDは、自閉症スペクトラムと同じく、3つのタイプがある発達障がいです

これらの3つの特性を持ち、自分自身ではそれらの特性をコントロールできないという特徴があります。人の表情を読んで何を考えているのかはわかるし、ルールも理解できるけれど、自分自身のコントロールがきかないため誤った言動・行動を取ってしまうのです。
自閉症スペクトラムとの大きな違いは、「ルールがわかっているか」どうかです。自閉症スペクトラムの場合は、そもそもルールをわかっていないのですが、ADHDの場合はルールはわかっていても先に書いたとおり自己コントロールができずルールを破ってしまいます。

LD(学習障がい)

LDは、知的障がいがないにも関わらず読む・書く・聞く・話す・計算するなどのうち、特定の能力を習得するのにかなりの困難を示す状態にあるというものです。

これらの発達障がいは併存する場合が多くあるので、「自閉症スペクトラムのグレーゾーンでもあり、ADHDのグレーゾーンでもある」ということも大いにあり得ます。発達性強調運動障がいや睡眠障がいなどを併存している場合もあるでしょう。

困り感を早期にすくい上げる

発達障がいグレーゾーンに属する子どもたちが抱える困り感は、できるだけ早くすくい上げてあげましょう。
何かしらのグレーゾーンに属している子どもというのは、本人が困り感を覚えています。友達と遊ぶ時や園・学校生活など、親が知らないところで「なんで自分だけわからないんだろう?」「どうして、友達が離れていくんだろう?」という不安や悩み、悲しみなどを抱えている発達障がいグレーゾーンの子どもは多いです。

本当は親に相談したくても、うまく説明できない・大ごとになってしまったらもっと自分が困るのではないかなどと考えてしまい、口を噤んでしまう子どももいます。そうしているうちにどんどん成長していき……大人になって、発達障がいグレーゾーンであることが判明して生きづらさを感じてしまうという恐れもあるでしょう。だからこそ、早期に子どもの困り感を発見することは重要なのです。

早期に気づくメリット

困り感に早く気づけると……
  • ベストなサポートができる
  • 困り感が減少する
  • 自己肯定感が高まる

気づきが遅れてしまうと……

困り感に気づくのが遅れると……
  • 誰にもサポートしてもらえない
  • 困り感が増えていきストレスが溜まる
  • 自己肯定感が低下し意欲が減少する

自己肯定感を育てるために重要な気づき

自己肯定感の高さというのは、社会を生き抜くために大切なものです。そんな自己肯定感を高めるためには、成功体験が必須。「できない」が「できた」になれるサポートをしてあげるためにも、子どもにとってどんな困り感があるかをなるべく早く発見できるようにしましょう。

子どもの味方になろう

発達障がいグレーゾーンの子どもが生きやすくなるために、まず最初に心がけて欲しいのが「親は子どもの味方である」という点です。「自分のことを、親はちゃんと見守っていてくれている」ということを、子どもが感じ取れるような対応を心がけてみてください。

「自分の味方がいる」という安心感

「ミスをすれば、すぐに叱られるし褒められもしない」「安心できる居場所がない」という状況下で、委縮しない人がいるでしょうか。答えはNOです。自分の味方がいるというだけでも、子どもにとっては安心感があるはず。「家族だけは、自分の味方でいてくれる」というのは心強さ抜群です。

全て許容することだけが「味方」じゃない

「味方になる=全て許してしまう」というのは大きな間違い。「子どもがどんなルール違反をしたとしても、それを諫めることなく甘やかす」などは、味方とは言えません。悪いことは悪い。絶対にしてはいけないことは駄目だと言う。子どもの話や言動・行動の理由をしっかりと聞き、良い部分は認めつつも、しっかりと向き合うようにしましょう。

子どもの人生にとってのマネージャー

子どもの人生が、良い方向へ進むために二人三脚でチャレンジするマネージャー。そんなふうに考えながら、子どもと一緒に頑張るのもおすすめです。様々な困難に子どもがぶつかった時、悩み、苦しみながらも一緒に困難に打ち克つ子どもを応援し、見守る。時には問題解決のためのヒントや糸口を提示する……。そんな関係性を目指してみると良いでしょう。

どうなって欲しいのかを書き出してみよう

「友達とのコミュニケーションをうまく取れるようになって欲しい」
「好きなことを突き詰めて欲しい」
「笑顔で楽しい毎日を送れるようになって欲しい」
あなたが子どもに求めているのはどういうものですか?
親それぞれ、子どもに求める理想は異なるものですよね。自分自身、本当は子どもにどうなって欲しいと考えているのかについて自問自答してみてください。書きなぐりでも良いので、子どもにどんな成長を望んでいるかを書き出してみましょう。

ただ療育を受けさせるのはもったいない

子どもの場合、発達障がいグレーゾーンであっても、療育が受けられます。「ちょっとでも子どもの困り感が減少したら良いな」という気持ちで療育をスタートする親は多いです。専門家が考えてくれた計画書に沿ったプログラムを経験させ、特性に応じた療育をおこなってもらう……。でも、漫然と療育を受けさせるのはもったいない!

目標・ゴールを定めて一緒に進む

療育担当者に、親の目指している子どもへの目標・ゴールを相談してみませんか。「今はイライラすると、すぐに友達を叩いてしまう。それをどうにかしたい」など、具体的な目標・ゴールについて相談すれば、療育に携わっているスタッフも一緒に考えてくれるはず。親自身も、子どもと一緒に試行錯誤しながら前進していくことによって様々な気づき・学びを得られます

「生きやすさ」を軸に据えた目標設定を

子どもに「こうなって欲しい」という目標・ゴール設定をおこなうにあたって、気をつけたいのは「生きやすさを考えた目標・ゴール設定かどうか」です。「クラスで一番成績が良くなって欲しい」「〇〇が得意だから一番になって欲しい」というような目標・ゴール設定も良いでしょう。けれど、発達障がいグレーゾーンの子どもは、生きづらいという大きな悩みを抱いているのです。その生きづらさを減少させるのを軸として、目標設定をおこなってみると良いでしょう。

すぎな塾で親も一緒に成長してみませんか?

ぐんぐん成長していく子どもたち。発達障がいグレーゾーンの子どもたちは、自分なりのペースで毎日成長していっています。そんな子どもをより深く理解したい、発達障がいグレーゾーンの子どもに対して、的確なアドバイスができるようになりたいという考えを持っているご家族様を、すぎな塾では幅広く受け入れております。

支えになります

すぎな塾は、発達障がいグレーゾーンのためのコミュニティーです。社会を生き抜くためにはどういうスキルが必要なのか、どういう考え方を持つのが良いのかなどを講義を通して学んでいきます。オンライン面談などもありますので、個別の悩みもどんどんお聞かせください。

現在、1クラス(40人学級)で2~3人は発達障がいもしくはグレーゾーンの子どもがいると言われています。でも、こういう悩みというのは人には打ち明けづらいものですよね。すぎな塾では、ご本人様だけでなくご家族様の苦しみにも寄り添います

子どもを理解するための学びを

発達障がいグレーゾーンの子どもについて理解するためには、発達障がいについて知る必要があります。どういう困難があるのか、どういうつまずきがあるのか……。それを知るためにも、すぎな塾では、ご家族様に対しても発達障がいグレーゾーンの人向けの講義を受けていただいております。
「あ、これは自分の子どもにも活かせるアドバイスだ」と思ったら、ぜひノートに書き留めて実践してみてください。

専門家だからこそできるアドバイス

すぎな塾の塾長は、相談支援専門員であり国際薬膳師の資格を持っており、障がい者福祉事業所の経営に携わっているプロです。発達障がいについての知識があることはもちろん、様々な特性を持つ人と関わってきました。
その経験を活かし、どういう特性を子どもが持っているのか、どういう支援を望んでいるのか……。これまで培ってきたノウハウをつぎ込み、発達障がいグレーゾーンの子どもを持つ方にアプローチします。

現在、無料オンライン相談を実施中です!誰かに相談してみたいという気持ちがあるなら、ぜひ一度ご連絡ください……!

今回のまとめ
  • 困り感には早めにアプローチ
  • 子どもにとって一番の味方になる
  • 子どもと一緒に親も成長しよう